Archive for the ‘本’ Category

『夜啼きの森』 岩井志麻子

Posted: 4th 7月 2009 by ryuga in


 
 
岡山の北方の、貧しく小さな集落。
元をたどればほとんどみな血が繋がっているような濃い血縁関係。
集落の後ろに存在する不穏な暗い森。
閉塞したその集落である事件が起こる。

数人の村人たちの立場から物語が紡がれていくことによって
多面的な村の内部の様子が細かく描かれて、
本当の主役の内面がより引き立つ。
 

初の中村うさぎ 「私という病」

Posted: 27th 6月 2009 by ryuga in おもう,

初めて中村うさぎの文章に手を出した。 この「私という病」という本では、中村うさぎがなぜ突然デリヘルをやろうと思ったのか、 というところを軸にして、女について掘り下げている。     まえがきの一番最初に 「どうして私は、女であることを、おおらかに正々堂々と楽しめないのか」 とあって、そこからもう、ずぶずぶと引き込まれて 相当深くまで、いろんなことを考えさせられてしまった。 中村うさぎは、一般的には、ブランド品の買い物依存症、整形、もしくは『ゴクドーくん漫遊記』? などで知られているらしいけど、私は基本的に5時に夢中でしかしらないので、 言いたいことは言い、いやな事は嫌といって断固拒否する、自分のことはなんでも開けっぴろげで、 とてつもなく下品な発言もするのに本質的な下品さがあまり感じられない人だなーと思っていた。 正直、この本は痛々しい部分がある。 内容も痛々しいが、私が衝撃を受けたのは、中村うさぎも若い頃、 セクハラという言葉自体がなかった時代に、いろいろと嫌な思いをさせられてたってことだった。 前から靄がかかっていて気になっていた、この人のパワーの源がはっきりと書いてあった。 自分をコントロールしようとするものに対する怒りだ。 特に、男。 セクハラという言葉自体がなかった時代。 女を男の所有物、(それとも、『産む機械』か?)くらいにしか考えられなくて セクハラし放題だったあの頃を忘れられず、 いまだにその幻想にしがみついてプライドを保っているような哀れなクズども。 そんなオッサンたちには、私は電車とかでしか出会わないからいいけど そういう人がいる会社が当たり前で、そんな会社に入らなきゃならなかったら。 そして女も含めて、世間がそれを容認どころか推進していたら、そりゃもう激しい怒りを覚えるだろう。 人生の原動力になるほどに。 つまり、その部分で私は中村うさぎに共感したんだけど、 そういうことを飛び越えた人だと思っていたから、同時に衝撃を受けたのだった。 なんで私が、中村うさぎを本質的に下品だとは思えないのか、その理由も分かった。 この人は、シモネタはもちろん、 例えばブランド品をチャラチャラ飾ってることも、下品だと思いながらもやっているのだ。 自分を客観視した上で、やりたいからやる。 整形も、整形を公表し、自分の顔を自分の好きに変えて何が悪い、と主張する。 デリヘルだって、ちゃんとした理由があり、それはこの本でちゃんと書かれている。 そこが、本質的には下品じゃないと感じる理由だった。     中村うさぎにはデリヘルをやるに足る理由があった。 たとえ何か失うものがあるとしても、レッテルを貼られるとしても、それ以上に求めているものがあった。 それは男たちが考えるような、ただ「やりたい」なんていうかわいい欲望とは全く異なるものだった。 そして実際にデリヘルをやってみて結果どうなったか。 中村うさぎ自身の心のうちもデリヘルをやったあとの周囲の反応も、すごく興味深い。

画像サンプル「レナ」の正体は「PLAYBOY」誌の最多販売部数を記録したプレイメイト – GIGAZINE. 画像サンプル「レナ」なんて知らなかったけど そこにプレイボーイ誌の写真が使われているのはちょっとおもしろい。 切り抜かれる前の写真は全裸(ストッキングだけははいてる)で 私はあんまり女の裸って好きじゃない(チラリズム派)けど、これはきれい。 年をとったこのモデルの人の写真が出てるけど いい歳のとり方してるんだろうなと思わせる。 それにしてもこのモデルの人は 意外なところで自分の写真が使われていることに 最初はすごく驚いたんじゃないかと思う。 いや、そうであってほしい。

「an・an」の同棲特集

Posted: 31st 5月 2009 by ryuga in

矢沢心の”我慢”が透けて見える、「an・an」の同棲特集 : サイゾーウーマン.     これ、コンビニで見かけて思わず反応した。 「男と暮らす」 ドドーン!! なんて堂々としているんだ。 表紙はなんとも男くさい玉木宏だし。 トピックは以下。 ◎212人の同棲経験者にアンケート ふたり暮らしのメリット&デメリット ◎ふたり暮らしのヒントが詰まった、おしゃれカップルの憧れライフ ◎「一緒に住もう」の一言が聞きたくて 優柔オトコを決心させる13の技 ◎有名人&読者の経験に学ぶ! 一緒に住んでわかったこと なんか期待大です。 特に『「一緒に住もう」の一言が聞きたくて』 ってどんな手段が載っているんだろう。すっげ気になる。 さらに  「男と暮らす」特集の締めくくりはなんと、「同棲の危機到来! いざというとき役立つ法律相談室」。今週のananはリアリティーを追求していますね。同棲→結婚、なんて一握り。同棲→破局という現実を突き付けられます! いやーこの手の雑誌って、ほんとに興味あるんだけどなぁ。 さすがに斜めの楽しみのためだけに財布の紐ゆるめて売り上げに貢献したくない。

サイゾー創刊編集長が過激に提言!<死が迫る雑誌たち>のサバイバル術(前編) – 日刊サイゾー.   サイゾーを創刊した初代編集長である小林弘人という人がこのたび出した 『新世紀メディア論 新聞・雑誌が死ぬ前に』 という本を軸にインタビューしているのだけどこの人すごい。 94年、黎明期のインターネットが社会や文化に与える変容をレポートした雑誌「ワイアード」(同朋舎出版)日本版を創刊。98年、「サイゾー」創刊。03年頃から、有名人ブログのプロデュースにかかわり、ブログブームの先鞭をつける。この間、高橋がなりや眞鍋かをりなど、雑誌やブログのコンテンツを書籍化し、ヒットを飛ばす。そのほか、ポッドキャスト、オーディオブック、ブログマガジンなど、最先端のメディアをいち早く手がけてきた「メディアのプロ」。 凋落激しい出版業界と、拡大し続けるネット業界を両方見続けてきた希有な人物   と説明されている。ギズモードもこの人が作ったらしい。 かなり興味深い記事でした。

引用元: アンジェリーナ・ジョリー、P・コーンウェルの小説映画化で「検屍官」に 国際ニュース : AFPBB News.   ぬぉぉ。 とうなってしまった。 小説は最初の数冊読んではまってたけど 最近すっかり忘れてた。 もう一度読み返したくなった。   こういう、イメージ重視のキャラクタを イメージに合う合わないは関係なく 「この人ならすげぇ見てみたい!」っていう配役でやってくれるのは やっぱ興奮します。

日本では6/19から公開予定の「愛を読むひと」(日本の公式サイト) 「朗読者」という小説を映画化したものですごく期待してるのだけど 「全世界500万人が涙したベストセラー小説」ってのを前面に押し出してたり 「The Reader」を「愛を読むひと」という邦題にしているところから気に食わないのでなんかげんなりしてる。 小説は、確かにぼろぼろに泣いたけど(汗 それはそもそも内容がシビアで、文体がすごくドライだったからだ。 そして、たぶん映画も、勘だけどそのトーンは引き継いでるんじゃないかと思って期待してる。 で、Amazon.comではすでにDVDが売られている。 買ってしまいたい・・・ でもやっぱできれば先に映画館で観たい。でも早く観たい・・・。 朗読者も読み直したいけど、映画みた後に読み返したほうがいいかもね。

会社の人が貸してくれた本。 7年5ヶ月で 9万4494km 87カ国を自転車で、走破した著者が その体験や経験、思い出や想いを綴ってる。 最初っからおもしろくて夢中で読んだ。 アラスカからスタートし、アメリカ大陸を北から南端へ降りたあとは ヨーロッパ、北欧と巡ってからアフリカを縦断したあと 中東、アジアから日本へ戻ってくる。 その間たくさんの景色の中を自転車で流れ たくさんの人々に出会い 素敵な体験を積み重ねていく様子を追体験できる。 久しぶりに、熱い想いに何かがこみ上げてきた。 文章も、どんどんひきこまれる。 旅行記としてもおもしろいけど、物語としても十分面白いと思う。 こういう本を読むと、刺激されちゃうから辛いw     旅の醍醐味っていうのは スケールは全然違うけれど、私も味わってはいる。   しびれるほどの景色に、自分の決意が突然映りこんで心に焼きつく瞬間。 奇跡みたいに、偶然が積み重なって素敵なことが起こるんだけど それは奇跡でも偶然でもなく「必然」だと感じられること。 人々との出会い。 それを、思い出して感慨深かった。 反面、ネガティブなこともいろいろ思い出した。 旅人になれるのは、余裕のある人間だけだ。 余裕がないと、その土地に縛り付けられる。 私は、寛大に歓迎してくれながらも どこか憧れや引け目を感じた目つきを忍ばせている人たちに会って 旅ができるということを、もっと責任を持たなきゃだめなんだと感じたりした。 そして、自分の生きる土地でちゃんと生きるということも 大事なんだと思ったりしたわけで。   私は意地も根性もないから、世界を回るのはめんどくさくて 一箇所、長く旅したいところがあるのだけど 昔から「そこに行くまでは絶対に死ねない」って考えていて 閉経してからでもその場所をゆっくり訪れたいとか考えている。 とにかくそれまでは、行き続けなきゃならないのだ。

講談社BOOK倶楽部: 『獣の奏者』テレビアニメ化決定!! 上橋菜穂子さんの「獣の奏者」という物語が、 アニメ「獣の奏者エリン」 として来年1月から放送されるそうです。 平成21年1月10日~放送予定 (全50回) NHK教育テレビ 毎週土曜 午後6時25分~午後6時50分 獣と少女が織りなす巨編ファンタジー。 決して人と心が通じないと思われていた崇高な獣『王獣』を操ることができる類まれな才能を持ち合わせた少女・エリン。彼女は、その才能を持つ故に、王国の勢力争い に巻き込まれ、波瀾万丈の人生を送るこ とになる…。 日本を代表するファンタジー 作家・上橋菜穂子の『獣の奏者』をアニメ化。 とのこと。 精霊がよかったので期待。NHKだし。プロダクションI.Gだし。 小説は読んでない。読みたいなぁ。 でも今は読む本がたくさんありすぎて無理…

今日はル=グインの誕生日だった

Posted: 21st 10月 2008 by ryuga in
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西のはての年代記を、ギフト、ヴォイス、パワーとその関連をまとめたサイトとかないかなーと思って とりあえずル=グインを検索したらやっぱり、というか当然wikipediaが出てきたので初めて読んだ。 アーシュラ・K・ル=グウィン したら、今日誕生日じゃん。偶然。 79歳の誕生日おめでとうございます。 これからも痺れる物語を書き続けてください。 お願いします。 で、パワーなんですが、全部読んだ。 自由とは何かを考えさせられ、 言葉の持つ力と、存在する意味を思い出した。 そして私も、自分自身の経験として、本の持つ力を改めて感じられた。 本は決して娯楽ではなく 心の中に、広くて静かで、誰のものでもない、孤独で神聖な空間を展開し、潤してくれるものだった。 あ、でも、本っていうより、本物のファンタジーの、文章で書かれた物語だけが、 そういう力を持っていると私は思う。 絵や音楽が付いていちゃだめなのだ。 文章を読んで、自分で描き出さなきゃ、脳の中を通り過ぎるだけの物語でしかないから。 もちろんそれはそれでそういう楽しみ方をするための素晴らしいものはたくさんあるし 私も大好きなものがいっぱいあるけど、 それと、ファンタジーは、つまり、まったく別のものだったりする。 でもそういうことを話せる人はそうそういなくて、自分がどこか浮いてる感じがするけど もう慣れ過ぎてしまって普段は何も気にならないのに ル=グインの文章を読むと、とてつもない安心感と、守られているという感覚があって 自分が最も求めているものはこれだと、自分自身を意識させられる。 心の中に広がり染み渡る文章が、痛いくらいに涙を誘う。 でも、心は満たされている。 当然満たされないこともあるけど 「本当に欲して止まないもの」だけが自分の中にちゃんとあれば 他はなくてもなんとかなる。 ただ、「本当に欲して止まないもの」なんてそう簡単にわからなかったけど だからこそ、私にとって西のはての年代記は、大切なものになってしまった。