木曜日の深夜、「さらば、わが愛/覇王別姫」を放送していて思わず最後まで見てしまった。
何度か観てるはずなのに、毎回緊張感があり、集中力が途切れない。
常に新しい発見がある。
まぁ、初見でわかるはずの話の肝となる重要な事柄も、今回やーっと気が付いたりしているので
私がボヤっとしてていろいろ見逃しているだけかもしれないけど
それにしても少なくとも他の映画よりは見所がたくさんあるのは確かだし
一つ一つの部品の繋がり方は半端ない。鳥肌が立ちっぱなし。恐ろしいくらいに。
この映画は、レスリー・チャンとコン・リーがとにかく美しい映画なのだが、
2人の演技がうまいし、映画に完璧に溶け込んでいるので『役者』の存在を忘れてしまう。
だから今まで、レスリー・チャンを意識したことがなかった。
コン・リーは「紅夢」をみたときに強烈に「コン・リーすげぇ!素敵!」と植えつけられたので
そのときからコン・リー レーダーが生えているのだが
レスリー・チャンは、なんだろう、間違いなく好きなんだけど
実在の人物とは思えないというか、私の中で実体を伴っていなかった、という感じだ。
2003年にレスリー・チャンは亡くなった。
亡くなって初めて、私の中でレスリー・チャンが実在の人物になったんだなと
今回思ったわけです。
そして昨日、シネマライズで「ブエノスアイレス」を観てきた。
シネマライズでは今「名画座ライズ」として
過去にシネマライズで上映した作品の中から選りすぐった6作品を期間限定で再上映している。
上映作品の中に「ブエノスアイレス」も含まれていて、5/21までなので今行かないと機を逃してしまうし
そもそもシネマライズはもうすぐ上の階だけになってしまうので
最後に「ブエノスアイレス」を観ておきたいなと。
ただ昨日はあまりに面倒な気分の日で、別にいかなくてもいいかなと思ってたんだけど
一日前のあんな深夜に偶然「さらば、わが愛/覇王別姫」を観たことが何か運命に思えてw
レスリー・チャンを観に行こうと思ったのだった。
「ブエノスアイレス」は1997年の公開時に、ゲイの友達に誘われてシネマライズで観て以来
何度もみている映画だったのに、別の映画を観てるみたいに知らないシーンがあった。
忘れているだけだろうとは思う、だが
もう一つ重大なことにやっぱり気が付いた。
私はブエノスアイレスでも、レスリー・チャンを「みていなかった」
レスリー・チャンが嫌いだとか興味ないとかではなく、好きなのにもかかわらず
映画の中の「ウィン」としてしかみていなかった。
トニー・レオンは実体を持って感じられるのに、レスリー・チャンはまるで幽霊のようだ。
昔はあまりにトニー・レオンがかっこよく見えていたので、そのせいもあるのかもしれないが。
結局、今になって私はレスリー・チャンに並々ならぬ興味を持つようになってしまった。
うまくいえないけど、ゲイ目線(って言えばいいのかな?)で、すごく色っぽいと感じる。
なんだろう レスリー・チャンが同性愛者としての色気を備えているといえばいいのか
演技力のよしあしについて、自分の感覚的な感想以上のことはわからないけど
演じている役者自身の実体を感じさせないというのは、常軌を逸した才能なんじゃないかと想像する。
ただ地に足が着いていない感じがして、人を不安にさせもするし惹きつけもする。
それがまた色気にも繋がっていく。
そういった性質が
さらば、わが愛/覇王別姫やブエノスアイレスではとてもいい結果を生み出していると感じるけど
他の役では必ずしも演技にいい影響を与えているとは言いがたいんじゃないかとは思うが
ともかく、レスリー・チャンの他の映画も観てみたくなった。